2年越しの企画でした。昨年初めて企画しましたが、自分の膝が悪くなり、施設でも4月になってのスタッフの異動や、収容者の大幅な入れ替えがあり、延期したものでした。
5月3日に富津莊、近くの女性自立支援施設の方々を招いてお茶会ができました。お茶会とはいっても、来てくださる方々に全く茶道の経験はありません。茶道のお点前を見て頂き、お菓子と抹茶を召し上がっていただく、という形式です 。
今年の5月の連休後半は、比較的穏やかでした。お茶会を開いた3日は日差しも強くなく、風もそよそよという感じで、歩いて来られる皆さん方に汗をかかせることも無く、絶好の日和でした。人数は、スタッフさん、ここで生活されている高校生以上の方々15名ほどです。
ここまでの1ヶ月、板橋ではお茶会をどのようにするか?をお点前をする娘と考え、道具、手順など決めていきました。娘は老人介護施設に出向いてお点前を披露していましたから、出向いた先でお点前をすることに慣れていましたので、助かります。富津莊では、女房殿が皆さんをお迎えするための準備を進めてくれていました。お茶室にする八畳間の部屋を片付けたり、畳を拭いたりの準備を進めてくれました。
使用するお道具のリスト
掛物 爽風 兜の絵
茶碗 こいのぼり の絵
あやめ の絵
他
水指 備前焼
釜 南部鉄器
風炉 紅鉢 焼物
茶器 平棗 牡丹の蒔絵
濃茶 関の白
花入れ 竹篭
花 シラン、コデマリ、アジサイ 富津莊の庭、近所の花
茶杓 秀衡塗り
菓子器 長門塗り
主菓子 あやめ 目白志むら



前日には施設に伺って大体の流れを説明しました。お茶席は八畳間なので、2組に分かれて、30分間隔で来てもらうこと、部屋に入ってからの座る順番、場所について話しました。14時開始ですので、14時到着と14:30到着としました。 服装は、ジャージやジーンズは遠慮してもらい、靴下は白をはいてきてもらう事として、持っていないかもしれないので、事前にこちらで用意し、渡しました。
3日当日の朝は、布団を押入に押し込み、掃除機をかけて、畳をもう一度空拭きします。掛け軸をかけ、釜をかけ、近所に花を摘みに行き花入れに生けて、お茶碗を揃え、主菓子を菓子皿の乗せるところまでやって、休憩しました。 11時になり早めの昼食とし、自分たち夫婦と、娘は着物を着ます。門から玄関まで水を撒こうと思っていたのですが完全に忘れていました。着物を着たら水しみがつくので水を撒けません。 12時からリハーサルです。小学校2年生と3年生の孫にお運びを頼みました。孫たちにも着物を着せたかったのですが、あいにく体に合うものがなかったので普段着でやることにしました。 結果として、これが来てくれた方々の緊張をほぐすこととなりました。
お茶とお菓子をお客様の前に運び、「お召し上がりください」と言って頭を下げる所作について、お客様との間隔や背筋を伸ばして頭を下げることなどをお稽古しました。3回目にはマスターしました。孫バカですけど、「かわいい!とっても!」 です。 14時ちょうどに1組目の7人が到着しお部屋に入りました。皆さんには緊張感が漂っています。座ったところで亭主の挨拶をして、お点前についてと、お菓子の食べ方、お茶の飲み方などを娘が説明して、お点前が始まります。 その間に自分が挨拶をし、続けて今日のお茶会の意味、大雑把な茶道の歴史の事や今日の掛物お道具などについて説明します。 ここで孫のお運びさんの登場です。娘が点てたお茶碗をお正客の前に運びます。上手にご挨拶が出来ました。こちらにも緊張感がありましたが一安心です。座の皆さんも緊張感がほぐれたように感じました。もう一人のお運びさんが、女房殿が裏で点てたお茶碗をお盆に乗せ、部屋に入り、それぞれお客さんに出す様子を見るのは、良いものです。顔が緩むのが分かります。目じりが下がりにやけていたことと思います。
孫たちがお運びし、自身もお茶を飲んで落ち着いたんだと思います。お客さんからお話も出ました。飲み終わったお茶碗の拝見方法を教えて、拝見の後に「お茶碗の絵もお節句だからなのですね、」と言うのです。お菓子を食べた後抹茶を飲んだけど苦くなかった、順番で苦くなくなるんですね、などと言ってくれました。 それから、自分は[おもてなし]という事についてお話をしました。お道具を用意するときに、来てくださる方たちに喜んでもらうにはどうすれば良いか、と考えるという事などを話しました。お節句だから、お軸には兜、お茶碗には鯉のぼりや菖蒲、矢筈の形の香合、主菓子にも菖蒲、干菓子の落雁もお節句にちなんでいました。 成り行きでお道具の拝見ということになりました。その説明もしました。拝見は予定外でしたね。結果として、2組目の8人が到着して玄関の前で待っていたのです。 2回目はスムーズでした。玄関先で1組目と2組目のすれ違いの時に少し話をしたのかもしれません。孫たちのお運びも上手にできましたし、自分自身の話も1回目よりもスムーズにできたように思いました。帰り際に、この夏にはピザパーティーにご招待すると言ってしまいました。
概ねお茶会を楽しんでくれたように感じました。 後日、女房殿の出勤日に子供達やスタッフの人たちの感想を聞いてきました。行けなかった人が逝きたかったという話をしていたそうです。 またやるかもしれません。

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