杉板の端材で作ったIHコンロ台

岡田建設 棟梁(職歴50年)の作品紹介

以前にも、お話しさせていただきましたが、終わった仕事と次の仕事の間で、手が空い
た時に大工がやっていたのですが、端材でコースターとか鉢の下に敷く板などを作っ
ては、その施主様に差し上げていました。
今回それらをまとめて紹介したいと思います。

  1. 檜の幹をコースターにしたもの
    枯れてしまった庭のヒノキの木を、輪切りにしてコースターにしたものです。この
    庭木は、成長が遅く、年輪が密になっています。これには年輪が1ミリに2~3本見え
    ます。ですから非常に硬く、加工が難しかったようです。焦げ目があるのもありまし
    た。せっかくなので皮を残したかったので、その事が加工を難しくしてしまいました。檜のコースター直径は約12㎝  良い思い出になると言われました。
  2. 欅板の敷板
    欅の端材を敷板に加工しました。やはり欅は木目に特徴があり、美しいと思います。
    最初はキャスターをつけなかったのですが、植木鉢などを置いた時に掃除などで移動をさせるのが意外に面倒な事を感じましたのでキャスターをつけるようにしました。
    写真はすべてキャスターが付いたものです。
    欅板の敷板 欅の敷板 260mm x 260mm
  3. 集成材の敷板
    カウンターによく使うメルクシという松系の木の集成材の切れ端を使いました。なんであれ木材を注文する時は、板幅、厚さ、長さを指定します。この材料の既製品は幅が300mm、400mm、500mm等とありますので使い勝手が良いのです。長さも3m、4m、5m等とあります。厚さは25mmと30mmなどを多く使います。
    例えば、ある使用箇所に必要な長さが2.4mだとすると、長さが3mの材を注文します。
    0.6m余ります。敷板はこれを加工して作成します。 このような端材は普通、産業廃棄物として捨てられます。
    岡田建設では、その現場で、色々な箇所に使う工夫をして、廃棄物として捨てられる材料を最大限使うようにしています。それでも使い切らなかった端材は在庫して残していて、敷板などに加工し、お施主様に差し上げたりしています。
    集成板の敷板集成板の敷板 260mm x 260mm
  4. 余ったタイルを仕上げに張った敷板
    敷板の上部に300角のタイルを張りました。木の敷板とはちょっと違った雰囲気になりました。
    表面はタイル表面はタイル  320mm x 320mm
  5. 欅材で作った収納箱
    これは、最初の意図は、植木鉢がプラスチックのときにそれを隠そうとするものでした。陶器ならば見せても良いのですが、プラスチック製で素材そのものだったり石や陶器に見せようと化粧がしてあったりすると、どうしても面白くないのです。
    それをそのまま入れてしまう大きさにすればよい! と考えたのがこれです。これは、植木鉢を入れるだけではなく、ごみ籠を入れてみたり、傘立てを入れてみたりと応用範囲が広がりました。まだ欅材しかつくっていないので、どのような雰囲気になるか、材料を違えて作成してみようと思います。
    欅材で作った収納箱300mm x 300mm H=350mm
  6. 欅材のスマホ建て
    うちの仕事ではありませんが、ご紹介したいと思いました。ある学校の改築工事で、校庭に立っていた何本かの樹齢数十年の欅の木を伐採する事になり、その木を記念品としたものです。欅は乾燥すると狂いが大きいので、乾燥に十分に気を付けたものと思います。
    欅材のスマホ建て
  7. リョウボのペン立て
    茶室の中柱に使用したリョウボ(またはリョウブ)を切って、穴をあけて作りました。
    この木はとっても固い木です。木工の錐では歯が立ちません。鉄骨用の錐で穴をあけます。強くねじ込もうとして抑えると煙が出るくらい固い木です。年輪も積んでいます。直径が約40mmですが、70年から80年くらいたっている木です。
    リョウボのペン立て穴の大きさは、太めのボールペンが立つようにしました。
  8. リョウボの花入れ
    同じリョウボの木を花立てにしました。一番小さい剣山を仕込める大きさの穴をあけました。水をためる容量が小さいので、頻繁に水を差す必要があります。
    リョウボの花入れ中に剣山の針が見えますか?
  9. 杉板の端材で作った腰掛
    茶室で、正座ができない人のために作りました。木造建物の破風板に杉板(厚21mm)を使っています。その端切れの中で木目のきれいな材を使用しました。他に、ラワン材の余ったもの、ヒバ材も使いました。

    ラワン材 ヒバ材 杉材
    ラワン材 ヒバ材 杉材

     

  10. 杉板の端材で作ったIHコンロ台ある現場で比較的新しいミニキッチンを撤去し、ブロックキッチンセットに取り替えました。この作業をしていた職人が、このIHコンロはまだ使えるのではないか、といって残しておいたものに、後日、台をつけたものです。冬場、洗い物をするのに、炉のお湯だけでは足りず、水屋でお湯を早く沸かしたいときに使っています。
    もちろん鉄瓶ではなく、ステンレスのやかんで沸かします。
    杉板の端材で作ったIHコンロ台
  11. 杉板の端材で作った手あぶり
    すごく木目がきれいで、素性の良い木があったので、何に使おうか考えて、手あぶりにしました。 電気ヒーターと炭用と二つこしらえましたが、電気ヒーターのほうは、お施主でもあり、お茶のお稽古に来る人が、家でもお稽古がしたいというので差し上げました。
    杉板の端材で作った手あぶりまだ火を入れたことはありません。内側に白っぽく見えるのはケイカル板です。外側の木板との隙間をあけてあるのは、炭火の熱が木に行かないように、断熱の為です。
  12. 面皮柱で竣工記念品
    既製品の柱の長さは、構造用でも化粧用でも、呼び名で3m、4m、6mを多く使います。
    (この長さに近い、2.9mとか5.9mとか細かい寸法もあります。) 6mは2階建ての通し柱に使用されます。一般的に、通しでない部分に使うのが3mの柱です。面皮柱も同じです。
    4mという材は、天井高さを9尺とか10尺くらい取りたいという時に使用します。昔の平屋の農家が多くこの天井高さでした。
    涵養庵で使用した、面皮柱の定尺も3mです。本数は9本ほどです。小間の茶室の天井高さは、一般的な天井高さである8尺は必要ありません。そして、ここはコンクリート建物の一部です。そうすると、木製の梁も必要ないです。ですからほんとに必要な面皮柱の長さは2.3mくらいでした。その残り70㎝ほどを10㎝ほどに輪切りにして、ブリザーブドフラワーの飾りをつけて、コンフォートグレイス竣工の記念品にしました。ブリザーブドフラワーは友人の奥様の協力でした。
    面皮柱で竣工記念品

-岡田の仕事
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