今でも岡田建設でも伝説を残すエピソードがありましたのでA君にも負けない話。
バカの考え休むに似たり
- リフォーム工事で、タイル貼の在来の浴室をユニットバスに替える工事のときでした。
お施主様から、なるべく広くしてほしいという要望があり、壁・床のタイルを撤去して、いくらかでも大きなサイズにしようとしました。 職人B・C二人にハンマードリルとそのピックを持たせました。
職人Cが、職人Bに質問したそうです。「このピックはアルミでできているんですか?」
タイルやコンクリートを壊しに行くのに、「ピックがアルミですか?」と聞くかー?
職人Bはあきれて声も出なかったと言っていました。職人Bが「なぜ、アルミと思うんだ?」と聞いたところ、その答えがまた、素晴らしく馬鹿らしい話です。
職人Cは「すごく高級な家だから、タイル以外のところを壊さないように、ピックは柔らかくなければいけないかと思いました。」というのです。
「柔らかいピックで壊せるのは何っ?何を考えているの」です。 そんな職人もいました。 - 倒れることを恐れて、職人に枯れ木を切らせることにしました。
根元が直径25cmほど、高さは3mを超えようかという梅の木です。その下には大理石製のガーデンテーブルとイスがあります。職人が切る準備を始めました。本人曰く、「幹を切断すると倒れてきてテーブルを壊すとまずいから、」という理由で、あるもので、その枯れた梅の木の幹上部をほかの木の枝に結びました。 さて、どうなったでしょうか?
切断し、倒れてテーブルを壊さないように、幹を他の木と結んだのは、梱包用のポリテープでした。 そのテープは、手では切れませんよね。ですから本人はそれで安全だと考えたようでした。
トラックの荷台には、荷締め用のロープがあるにもかかわらず、ポリテープを選んだのが理解できません。
ポリテープではその木の幹の重量に耐えられることはないです。切れました。しかしそのポリテープが切れる前にうまい具合に効いて木を振るような形で回転させて、倒れた方向が良く、事なきを得ました。
危なく150万円くらいする大理石テーブルを壊すところでした。
その職人には、「君はあのポリテープを体に結んでがけを降りられるか?命をかけられるか? そのくらいはわかるだろうが! ヒモは、梱包用段ボールや軽い資材などを縛る時にだけ使って、荷重がかかるときは絶対に使ってはいけない。」と指導しました。
何キロ以上の重さの場にはと、具体的な数字を出すべきなのでしょうか? - 仕事に出発する前に事務所でミーティングをします。
現場直行のときはできませんから、毎朝というわけではありません。現場のこと、体調その他世間一般のことが話題です。
そのミーティングで、自分が話をしているときスマホを見ていて、その話の中で出てくる言葉の内容を検索するのです。
そして、言いましたね。「あってる!」
「この野郎!」ですよね。そこで、そいつに言うのです。
「今調べたことを頭の中に刻み込め。よそでお前が何かを話すときに使えるようにしなければ役に立たない。それなら検索なんかするんじゃないよ! お前の為にはならない。スマホをどこかに置いてきたとき、何もわからないじゃないか。」
そうすると、そいつは、「なければ生きていけません!」ですと・・・。自分の頭は、電話、メール、写真以外スマホの機能を使いこなせません。あくまでスマホは携帯電話の平たいものなのです。 彼らのスマホは、預金通帳であり、辞書であり、企業・官庁のお問合せ窓口であり、電話の機能はほんの一部なのですね。あまり電話もしませんよね。メールでのやり取りが主みたい。 - 最後のエピソードはA君ではありませんが、整理整頓についてのエピソードを一つ。
ある職人Dに資材倉庫の片づけをさせました。
広さは約12坪程度です。作業に当たって、職人Dに、「何のために片づけをするか?」と聞きました。
彼の答えは、「片づけるとその場所が広くなるので、動きが良くなる。そして、安全になるから」というものでした。
自分が思っていることとは違うのだけれども、まあ、一つの答えではあるのだから、「あ、そうか。君も考えたのだろうから、じゃあ、その主旨でやってみろ。」と言ってやらせました。 結果は?
なってないんだな~本人に、「どういう理由で、ここにこれを置いたのか?どう考えたのか?」 と聞きます。 答。 「ここが良いと思いました。」「答になっていない!」と言ったのですが、「答えになっていない」という意味が分からないみたいなのです。
「じゃ、聞き直す。なぜ、ここが良いと思ったのか? 一番良い場所だと思った理由は何?」
答「ここにあったからです。」自分{???}
「それでは、また質問。広くなったか? 安全になったか? 上に置いたら、落ちてくる可能性が高まるけど、それでも安全になったのか?ぼくには、ただ押し込んだとしか見えないが・・・」
実際ただ並べ直しただけなのです。答「・・・・」
どうすればよいか。作業内容を文章にしました。それに加えて、簡単な図面も添えました。「こうやったら、どうかな? きれいに片付くんじゃないかな?」 最初に片づけをやらせようとしたときの、こちらの読みは、2日間もあれば、終わるだろう、3日間はかからないと読みました。ここまで、4日目に入りました。
彼は、役に立たないというよりももっと悪い、やってはいけない自分の考えを入れようとするのです。
あることわざが浮かびます。
{バカの考え休むに似たり}
彼のは、似たりではなく、全く休んだ方が良いことをしでかすのです。作業をやらせる立場の人間として、どうにかものにしてやろうと考えます。どう指導すればわかるようになるか?
片付け計画平面図をみて、今度は、資材を床に置きました。立体的に考えることができなかったのです。 今の人たちは平面から3次元を想像することが苦手なのでしょうか。 片付けに際して、用意しなければいけないのは、片付け計画の平面図と、展開図。棚の奥行と材料の長さを示して、何センチか棚から飛び出すけれどもかまわない、と伝えるのかよ! 疲れます。ホントに!! まだ片づけは途中です。 やらなければならない仕事を進めなければなりません。彼は、また、片付けを継続するときには、図面もなくして、頭の中も空っぽにしていますよ。きっと。
最初に言った「何のために片づけをするのか?」 片付けの最大目的は在庫の把握です。 在庫している品物と数量を把握するためです。そして、その材料をいかに早く取り出せるようにするかが肝心なところです。
その職人はそれをまだわかりません。何回も言っているのだけれども、「片付けは見た目をかっこよくするため」としか考えていないようなのです。 自分が考えると何の役に立たない棚をこしらえて、やってます感を演出しただけで、材料を並べていました。
指導三回で一本負けなのに、まだ退場しないでやろうとするところがすごかった。
××につける薬はないのでしょうか?