冤罪イメージ

東京新聞 法務省の人権侵害放置

2023年4月12日東京新聞の朝刊に二つの法務省関連の記事について改めてまとめました。

①【こちら特報部】の袴田さんの再審についての記事と、
第一面には②【この国で生まれて育って「入管法改正」の陰で】と言う記事です。これは4回に分けて掲載されるようです。 ちなみに入国管理関係を取り仕切るのも、再審公判の関わる事象も法務省の管轄です。

① は報道で知っている方が多いのではないでしょうか。
1966年静岡県での殺人事件の犯人にされてしまった冤罪により死刑判決を受けて、1981年から再審請求をし続けて、今回再審決定を受けたのですが検察は7月まで再審公判に向けて有罪立証するかの判断をしない。本人は87歳です。いつ執行されるかわからない状態で精神的に痛み、通常ではない健康状態なのに引き延ばそうとする。 30年以上前の話ですが、90歳の建て主さんが散歩をしているところに、偶然通りかかりました。20分ほど立ち話をしました。お別れするときに何気なく「今の現場はすぐそこですから、またお会いしましょう、お元気で」と話しました。するとそのご返事は「岡田さん、僕の年齢は、岡田さんが今ここで帰って行ってから、すぐに倒れてあの世に行っても、長生きでしたね、と言われる年齢なんだよ。」でした。 87歳があと3年生きられるか、明日逝ってしまうか。それなのに7月まで何もしないという、その神経。そういう組織。 個人の幸せよりも組織の幸せしか考えない。 間違ったときに間違ったというと言う事が出来ない、しない法務省。 しかも国会議員たちは、検察に歯向かうと怖いから触らない(のではないか)、という事も書いています。国民を守るのではなく自分の組織を守ることだけを考えている組織。それを出来るのに正そうとしない国会議員。

取り調べイメージ


② その一回目ではクルド人一家の苦悩について書かれています。 
記事の概略は、トルコの少数民族であるクルド人の父親が2010年に来日し、難民認定を申請しているが、不認定とされて申請を繰り返している状態。ほかの家族は当初在留資格を与えられたが2022年8月に不認定が決まり、在留資格を失い、仮放免の状態にある。本来、在留資格のない外国人は入管施設に収容されるが一定の条件を満たせば入管施設外で生活することが許されることを仮放免と言うという事です。仮放免では、子供が義務教育を受けられ、一部のワクチン接種などを受けられるが働く事、党道府県をまたぐ移動、国民健康保険の加入、生活保護の受給、保育園に行くこと、高校授業料無償化の対象になることが禁止されているという事です。12歳の女子中学生が、「私たちに死んでほしいのでしょうか」と苛烈な実態を訴えているのです。 働けないからお金が無い、生活のすべてを援助してもらわなければならない。2歳の妹が39度の熱が二日間続いたが保険が無いので、病院にいけない。幸いにして市販の薬を飲んで直ったという事です。 死んでしまっていたら、入管の職員はどう思うのだろう?まさか、日本人じゃないし、一人づつ減っていけば、一つ問題が無くなる、と思うのでしょうか? 職員から、ばかにするんじゃねえよ!と言ってほしい。
しかしこれって、すごい人権侵害というか、人権無視ではないのかな? 親子の離反になってしまうと言われれば返す言葉はありませんが、少なくとも日本で生まれ育った子供たちは日本人として認めるべきではないでしょうか。親はその保護者として認めるべきではないでしょうか。そして、日本人として、他の日本人の子供たちと同じように保護して、国が育て上げるべきではないでしょうか。 「私たちに死んでほしいとおもっているのでしょうか。」などと思わせることはしないでください。「日本という国は本当に思いやりがある国ですね。」と思われるようなシステムにしてほしい。 しかし、①に記事の中に、こういうのは議員にとって選挙民にアピールもできないから票にもならない。だから取り組む事もしない。

二回目(4/13第2面)では両親がペルー出身で非正規滞在者のため、日本で生まれ育った大学4年の女性(21歳)は、小学校六年生の時に入管庁から退去命令を出され現在仮放免の立場にあり、「働いて自立し、社会に貢献したい」という自分が考えるに立派な望みもかなえられない。 日本で生まれて21年間住んでいて、そのような心持の若者がいて日本人ではない。回転寿司でガリを皆が使う容器から直接つまんで食べたり、醤油さしをなめたりしてそれを自慢げに広めるような人間も日本人の中にいる。比べるという事を良しとしないかもしれないけれど、何も考えられないこんなバカと、一所懸命役立とうと努力している人が、人間としての権利は同じではないというのは国・法律が間違っていると思う。

三回目(4/14第2面)も、両親がペルーから来た非正規滞在者。その子供の現在高校2年生の女性は、小学校の5年生の時に入管庁の職員から「あなたも早くペルーに帰りなさい。そうしないと学校の教室から連れていきますよ」と言われたとのことです。日本で生まれ、育ったのに、「ペルーへ帰れ」と言うその神経。 生まれた国の役人から、言葉も習慣も知らない国に、「帰れ!」と言われる。「帰れ!」と言うのはどういう意味? 生まれた国から「出ていけ!」ならわかるけど。
小学校の5年生が「教室から連行する、」などと言われたら、精神状態は通常ではいられなくなるのは、その役人は考えられなかったのだろうか。たとえ役所のマニュアルに書いてあったとしても、そこに、忖度があっても良いのではないでしょうか。

四回目(4/15第2面)は茨城県の高校2年生の男性。この人の家族の国籍はいろいろ。父親(実母の再婚相手)にだけ送還通知が届いた。この父親と実母の間に2歳の弟がいます。通位置が来てから父親から寸時も離れなくなったそうです。この家族の願いは平和に家族そろって日本に住み続けたい、それだけだというのです。

人権問題

日本は、国連第一主義を謳っていた時期がある。 その国連から「仮放免」という制度を改善するように要請されている。国際機関から人権無視とまで言われている制度を今国会に提出された入管難民法改正案(所管法務省)についても、外国人にとって不利になるようにした。
法務省 今は放務省並びに法無省と言った方が実態に合っているように思う
  放務省  本来、管轄するこの役所がやるべき、根本の務めを放棄している
       性善説としての人間が人間として持つべき感情も無くしている。
  法無省  人権・幸福追求に関する基本的な憲法の知識が無いのでしょうか。
       憲法違反ではないですか!という批判も無視している
     二つの名前を一字づつとってつけたのが、  法 務 省 
    他の二文字だと 放 無 省 だから何の意味も無くなる役所になってし
まう。それは困る。
ホウムショウ → ホウ-ムシ-ヨウ ⇒ 法・無視・妖  こっちかな!

一般的にお役人は組織から離れた時に、それまで所属していた組織の非人間性を批判する傾向があるように思う。そして、自分はその組織内の者だったから非人間的な事でも仕方なくやったみたいなことを言ったりもするように思う。
へそ曲がりな言い方をするけれども、人間は面白いから、気に食わないからと言って他人の生命を取る。自分の命さえ。 人間という動物だけがする行為。動物は自分たちが生きるために他の命を奪う。他人を楽しみでいたぶる、人を殺す、と言う残虐と言われる行為は人間しかしない。 だから人間的と言うのは、あえて残虐な行為をすることができる、という事が言える。
とんでもない誤解に気が付いた。自分は現行の死刑制度に反対です。 絞首刑実行のボタンを、拘置所の役人に押させる、という事に納得できないからです。その、ボタンを押す役人の心情を、自分あるいは一般人に置き換えて考えた時、耐えられないと思うからです。 
しかし、法務省入管局の役人は、少女に教室から引っ張るよ!とか言ったり、収監者が不調を訴えても死ぬ間際まで放置しておくようなことをやっている、そのことは、彼らの仕事です。死刑の実行ボタンを押して死刑囚を殺すのも仕事です。 人を殺すことに対する良心の呵責とか、そのような感情を持ち合わせることは無く、やれるのですね。「自分は国の仕事を、法律に基づいて立派に仕事をやっている。間違ったことはしていない」という事なのですね。 
死刑に反対する自分自身の根拠が無くなった。 じゃ、賛成? 困った。

4回目の記事が載った15日の【本音のコラム】に師岡カリーマ氏が仮放免について書いています。
専門家が違憲としている、国連も是正を要請しているこの制度をかたくなに維持しようとしている仮放免。 少子化対策として、日本で生まれた子供に国籍を認めてはどうか、と書いています。
少子化と言うのは国の将来を危うくする喫緊の課題です。少子化が行きつくと、国民はいなくなる。そうすると役人もいらなくなる。 
そこに考えが至れば役人は動くのではないでしょうか。 笑止か・・・・

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