外装工事イメージ

ある外装リフォーム工事

板橋区内で30年ほど前に共同住宅新築工事をやらせていただいた建物の外装リフォーム工事について書きます。新築後2回目の外装リフォームです。 建物は、重量鉄骨造、外壁はALC,その仕上げは一部小口タイルとパターンを付けた上に吹付、屋根は金属板葺きです。 用途は6世帯の賃貸住宅と1階の一部が軽作業の工場です。今回は、ちょっと小さな問題が発生しました。 

昨年の10月中旬に、お施主様から、「建物を見てほしい」という連絡をいただいたのですが、ちょっと忙しかったこともあり、お伺いしたのは11月の中頃になってしまいました。自分も年を取っていますが、お施主様も年を重ねていらっしゃいました。それと、以前からですが、建物のメンテネンス工事を、近くを営業して歩いているよその業者に頼み、苑で問題を起こすと内に連絡があるのです。 

伺って、外装リフォームをしたいという事でしたが、お話が始まるや、「ちょっと3階に上がって部屋とベランダを見てちょうだいよ」と言われました。この建物には階段がありません。階段を上らねばなりません。少しきついのです。

水道工事イメージ

商売ですからびっこを引き引き、階段を上り、指定された3階の部屋に行きました。職人がいるのです。水道屋さんみたいでした。職人が入っているという事を聞かされていませんでしたから、あまり気分はよくありませんでした。とりあえず言われた、ベランダの防水状況や配管状況などを見て、施主様のところに戻りました。 

「部屋に職人がいましたけど?」、と話しますと、あの部屋で水漏れがあり住人が退去したので、〈直す〉という近所の人の紹介の職人がきて工事をやってもらっている。という事でした。 はっきり言ってお粗末でした。正直、今回のお話は外装リフォームですから、この職人のしりぬぐいはしないつもりでいました。お施主様に「責任をもってやらせないとだめですよ。」と言って、本題の外装リフォームの話をしました。 

お施主様のご希望は「もう年数も経っているし、汚くもなっている。何かパッ~!とする提案をしてほしい。」という事でした。「ALCの上にサイディングを張って化粧したらどうか?」という事も言われました。要するに、少しデザインをして、入居者の募集をかけるときにアピールしたいという事でした。  「わかりました。少しお時間を頂きたい。提案させていただきます。」とお答えし、帰ってきました。 

最初の提案まで約2週間かかってしまいました。ああでもない、こうでもないとう事を考えて、デザインし、それを自分なりに検討しやり替えてみたりというとそのくらいかかってしまいました。言い訳がましいのですが、暮れでもあり何かとやることが多かったのです。そして、その提案を検討するのに、金額のことも一緒に提案しなければ、お施主様にしても結論は出せません。

提案の中にはサイディングは外しました。 理由は、既存建物の外壁には、電気メーター、換気扇カバー、エアコン配管、設備配管など、サイディングを切り欠かなければならない箇所が多いというのがあります。往々にしてその切り欠きはジョイント部分になることが多いのです。 サイディングを切り欠くというのは、そこから雨が入る可能性が高いという事です。あえて、そこまでしてもみっともないだけ、という考えがあります。そのような理由でサイディングを張るというのは提案から外しました。

1回目の提案を気にいってもらいました。概算金額についての質問がありご説明をして、おおむね了解していただきました。ただ、工事個所の追加などがあり、最終金額の提出は年が明けてからという事になりました。 色についてもあらかた決めてもらいました。

年が明けてからお伺いし、工事の内容、工事期間などの具体的なお話をしようとしましたが、確定申告の時期と重なってしまい、少し日にちを空けてしまいました。 そして、工事は4月に入ってからという事になりました。

そこに最初の小さな問題は発生しました。 水道工事をしていた職人の工事内容がひどかったのです。結局、その職人では手に負えなくなり、こちらに後始末が回ってきました。一度やったものをすぐに直すというのはあまり面白い事ではありません。うちの職人は、「なんでこんなひどい仕事をやったんだ!」と怒っていましたが、非常に上手に修正してくれました。ここでも評価を上げてくれました。これが2月の末の事でした。

3月に入り、隣のアパートが外装リフォームをし始めました。3月中に終わるという事でして、うちの工事には差し支えることはなさそうだ、と思っていました。 ここで2眼目の小さな問題が発生しました。 隣の外装の色が、うちでお施主様と打ち合わせをして決めた色と同じだったのです。 もう一度外壁の色については検討し直すことになりました。 こちらの愚痴になりますが、一度決まったものですから、頭の中からすべて削除していました。もう一度やり直すというのはちょっとばかし、しんどいモノなのです。

足場イメージ

色が決定する前に足場架けの工事に入ってしまいました。 ここで第3の小さな問題が発生しました。と海苔のアパートの住人の一人が、かなりのクレーマーでした。足場を組み立てる前日に近隣挨拶をしました。普通、賃貸住宅の住人には直接会ってのあいさつはしません。オーナーさんだけです。工事内容のお手紙を出して、ポスティングをしました。 電話がかかってきました。「俺が困ることをしたら、ただじゃ置かない。・・お前の建て主はとんでもない奴だ。・・・」 そのアパートのオーナーさんと管理会社に連絡し、「よろしくお願いします。」と再度お願いしました。  2度あることは3度と言います。3回ありましたからもう無いことを祈っています。近所の、お施主様の氏神様にご挨拶に行くことも考えています。

-岡田の仕事