築50年の別荘解体工事の顛末イメージ

築50年の別荘解体工事の顛末-前編

先日、60年来の付き合いの友人から築50年の彼の別荘の解体工事の見積もりを依頼されました。 この建築は岡田建設ではありません。 住所や、設計図面などを送ってもらい、うちの解体業者に千葉県の物件の解体ができるかな?と思いながら電話しました。解体業の許可というのは都道府県ごとなのです。その解体屋さんの「友人が茂原の方で仕事しているから大丈夫ですよ」という返事で一安心でした。建築関連の依頼・相談を受けて何もできないのは癪なのです。

解体業者が現場に行って、現在の状況写真も撮って来てくれました。九十九里海岸に3分ほどで行ける立地です。 敷地は80坪強、建坪が約20坪の平屋の木造建物です。 依頼主のお父様が建築されたのですが、友人もそのご家族もすでにここを使う気持ちは無く、実際この10年の間で、行ったのは数回にもならないし、その時も中に入らずに外観だけ見て帰ってくる状況だったようです。 状況はそのようなことです。

自分が写真を見ての感想

  1.  設計が大変にお粗末な気がしました。あの家では行っても楽しくないし、建物に対する愛着もわかないとも思いました。 建物を建てるとき、楽しめる、愛着がわく、ここが一番大切な事ではないかと思います。特に別荘は楽しさが重要です。 屋根瓦に高級な青緑瓦を使用しているのに外壁は・・・。バランスが悪く、正直もったいないのです。デザインも良くない。 設計屋さんの能力不足ですね。
  2.  庭に竹を植えています。それがはびこって敷地外にも出てきています。聞いたところ、最初直径が2センチくらいのを2~3本植えたのだけれども、だんだん増えて、切っていたのだけれどもこんなになってしまったとのことです。 多分家の中も竹やぶになっているのではないでしょうか。 竹を植えるときは、根の周りを囲って地下茎が自由に出られないようにすべきでした。かくいう自分自身も父が富津荘で竹を植えて、その始末に苦労しました。節の下で切って、中節も抜き、竹の中に除草剤液とか、アルコールとかを入れたり、地下茎を掘り上げたりしたら次第に生えなくなりました。根気勝負でした。
  3.  道路が狭い。仲間で行ったときに車を道路に駐車できません。敷地内に駐車スペースを余計に考えねばなりません。 この土地を買った時にそのことを考えなかったのでしょうか?設計もそのことを考慮すべきです。 その当時は、自分自身学生でしたから相談に足る相手ではなかったのが、残念な事でした。

解体業者の見積もりを見ての感想

  1. 平屋だから基礎と屋根を平屋の坪数で割ることになるので、2階建てに比べて坪当たりの解体費用が割高になっています。また工事用の中型車が入りにくいので、そのせいもあります。
  2. 竹やぶの撤去費が母屋の解体費とあまり変わらないのです。今は、生木の処理代金が高くなっています。 

敷地境界をH=1000程度のブロック塀で囲っています。 防犯にもならない高さです。デザイン上も別荘でブロック塀は最小限にしてほしかった。生け垣は大変だから、せめてフェンスが良かったと思いました。

依頼主に業者の見積書を送り内容を説明しました。 少し考えさせてほしいという返事です。 更地にしてから土地を売っても、解体費と同じくらいの金額です。 考えてしまうのはよくわかります。 
しかし今の建物の状態では解体しか選択肢は無いと思います。状態がもうちょっと良くて、もう少しデザインに面白さがあれば、サーフィンの好きな人に売却して、その人が好きに手を入れたかもしれませんが、リフォームも無理だと思います。
別荘って、オモチャみたいのものですよね。遊べて楽しめなくては。 お金が余っていれば別ですが、自分のクラスでは、草刈りも塗装も楽しみにしないと維持していられません。   

一週間後、友人から電話があり、急がないけど、どうせやらなければならないのだから 進めてくれという事になりました。 その際、別途工事の地下埋設物や、残置物も概算ですが見積もることにしました。
実際の工事は急がないという事で着手日は未定です。

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