約25年前に岡田建設が施工した、重量鉄骨造3階建て共同住宅のリフォーム工事が始まりました。既存建物は、1階が2世帯の共同住宅で、2,3階が自家使用住宅となっています。建築当時の家族構成は、ご主人ご夫婦、おばあちゃん、小学生のお子さんがお二人で、家族5人でお住まいでした。 その後お子さんたちはそれぞれご結婚され独立されたので、現在はご夫婦お二人で住んでいらっしゃいます。その顛末を書きます。
居間・寝室もキッチン・水回りも2階にありご夫婦は2階だけで生活できます。 近年、お二人は病気と体の衰えを感じられるようになり、階段もきつくなってきたと仰っていました。 そして今後のことを考えて、独立した息子さんご一家と住むということを息子さんご夫婦とも相談していました。
内容として大雑把にいうと、
- 1階の2世帯の共同住宅部分の界壁を撤去し1世帯とする。
- 1階を老夫婦が住みやすいプランを作り、改修する。
- 2・3階は息子さんご家族が住むように改装するという計画です。
まずは、1階の住人に移転してもらわなければなりません。昨年の5月くらいから引っ越してもらうようにお話をしていて、昨年末に円満に移転してもらいました。ちなみに退去の要請は工事着工予定の半年以上前にするという事になっています。
改修計画を打合せするときに、最初は息子さんご家族が住む2・3階を息子さんのお知り合いが施工するという事でした。岡田建設では1階のお住まいのみ施工するというお話でした。ですから、1階部分の計画のみを考えて提案していました。
その工事の最初に考えた基本方針は、
- 内部の既存部材を全て撤去処分し何も残さずに内部は新規に工事をするという事
- 年配の夫婦が病気であっても、ここで出来るだけ長い期間住み続けられるようにする事、を考えていました。
それと、岡田建設の考えとして、今まで住んでいた家の思い出として何かを残し、新しい家のどこかに使う事を考えます。 それに沿って自分なりに何回か計画をお伝えし、平面プランを提案し、見積もりをやっていました。 基本的には、計画工事内容について、すべてを任せてもらっています。
その後、途中から、1階のみの施工が2・3階も工事をすることに話が変わりました。そして、1階部分と2・3階部分の予算金額を指定されました。
そこから、2・3階の改装計画も始まりました。
指定された金額では1階内部全て壊してやり替えるというのは無理になりました。ですから壊さずに済まそうとすれば壊さなくても何とかなる箇所(外周部壁下地、天井・床下地など)は壊さず施工するというものに変えました。
しかし年寄り夫婦がここで出来るだけ長い期間住み続けられるようにすること、これは変えません。 機能的には本質的に変えずに、設備品のグレードとか仕上げで調整できるところは調整するという方針で、再度見積もりをし直しました。
実のところ、現在、すべての建築資材価格が高止まりしています。設備品なども4月からの価格改定が言われています。金額を調整するのはかなり困難でした。発注を急がなければみすみす金額が上がりますし、時間との戦いでした。憎っくきロシア、憎っくきコロナです。
なんとか金額を収めて、ご納得を頂きました。 そして着工の運びになりました。 設備の諸品を押さえることもできました。
今後怖いのは、建築資材が再び急騰することです。 それから、設備品が変更になることもあるかと思いますが、それへの対応も考えねばなりません。
ご希望に添えなくなる事もあるかと思っています。着工後は工事の無事だけを考えていたのが、今はそれだけではだめという事です。