台風イメージ

台風15号による暴風被害について、いろいろ考えました

このたびの台風15号の強風で被害にあわれ、今も不自由な生活を強いられている方々にお見舞いを申し上げます。
かくいうウチでも、富津荘に被害を受けました。9月9日朝に、いつもお世話になっている道路の反対側に住んでいる農家の方から「2階の戸袋が壊れているよ」と電話連絡を受けました。こちらが現場に出ていて、留守電になっていたので直接話ができませんでした。  あの日、自分は、未明に起きだし、4階の窓から近所の現場のシートが破れるのを見て、なぜ風が強くなるという予報なのにシートを畳まなかったのだろう?とか考えていました。
朝の新聞であちこち足場が倒されている記事を読み、テレビで画像を見ましたが、自分の会社ではそういった被害がなかったものですから、富津から電話連絡を受けたその時まで、うかつにも、千葉県全体がひどい事になっていることを知りませんでした。 君津で高圧送電鉄塔が倒れているという映像を見ても電気は迂回できるのだろうとか考えたり、富津から電話が来たのだから深刻な事態と思いませんでした。
何度か、富津の農家に電話をかけたのですが通じません。ツーツーとしかならないので受話器を外してしまっているのかな?などと、まるきりアホなことを考えました。昼になっても、夕方になっても通じません。それで、「ちょっと大変なのではないですか!」と思い始めました。
そして、テレビなどで、明日中には電気を通じさせますという、担当大臣サマの会見がありましたがそうはならず、すぐに生活必需品などをもって、見舞いに行かなければいけないかな?と思ったのです。しかし、電気が通じていないという事は信号もダメなのではないか、と思い至り、行くことに自分自身の身の危険を感じ、またそれは即、他人様に迷惑をかけるという事ですからやめました。
今日(9月16日)になっても状況は、ほぼ同じままです。

発想が飛んでしまいますが、再生可能エネルギーに話が飛びます。 中央集権と地方分権という事にもつながります。 今の都市の状況は、電力、熱源、水のほとんど、個人で作ってはいません。 発生元がどこからはわからずに、電線を通って電気が送られて、配管を通してガスも水も送られてきます。 送られてくる途中、自分たちのわからないところで、それらが切れたとき、今の千葉県のような大変な状況になってしまうわけです。
都会ではほとんどの人は、それらの源がどこかを知らないと思いますが、地方でも同じ状況だと思います。近くに給水用の人造湖があっても火力発電があっても、そこから直接給水され、電気が配られているわけではないことが、台風15号によって、改めて知らされました。 富津には東京湾の臨海部に東京電力の発電所があり、そこ辺りの埋め立て地の空地、あるいは山の中、耕作放棄地にも太陽光発電所もたくさんあり、袖ケ浦に東京ガスのLNG基地があり、房総半島の真ん中あたりに、ダムもあり、いっぱいに水が溜まっています。それでも、地元の人たちは、停電し、断水し・・・。

東北地方にある福島原発は、東京電力のもので東北電力のものではありません。原発が、政府・東京電力がいうところの、誰もが予測することが困難な、想定外という未曽有の大災害にあい、その事故で地元の人たちが住めなくなり、避難せざるを得なくなって、その途中でも死んでしまう。 東京も、もう記憶の片隅にしかなくなったかもしれませんが、計画停電という事態になったわけです。

日曜日の夜、“ポツンと一軒家”という番組があります。面白いので見ています。 ああいうところでも、だいたい電柱が立っていて電線が通っています。道路は舗装もされています。びっくりします。 さすがに、水は沢や湧き水などから引いていたりしています。燃料はマキであったり、プロパンガスであったりしています。 多くは山の中、頂上付近ですから強風被害を受けやすいのではないかという事はさておいて、食べ物さえ確保しておけば、電気に頼ることなく、数日と言わず、生活することは可能ではないかと思います。

自分は、できる限り、できることから、そういうものを目指そうと、趣味と称して、まず家庭菜園を始めました。食べるものすべてというのは、はなから考えてはいません。  ウチの、30年前に建てたマンションの給水システムは、受水槽に貯めてから各戸に給水するというふうにしています。(現在ほとんどが、給水直結高圧圧送のポンプで受水槽は設けないのが大半です。新しい、大規模ではないマンションはほとんどがそうなっています。ウチの新築した方もそうなっています。)
受水槽に貯めておくというのは、道路の水道管が壊れても、何日間はその水を飲むことが出来ます。 そのために、設計で、受水槽設置の耐震基準よりもランクを上げてつくりました。 雑水は、雨水を床下のピットに貯めて、あふれた水が流れて排水させているので、雨さえ降れば確保されます。

そして、3年前に、太陽光発電パネルを取り付けた新築のマンションが出来、とりあえず、晴れていれば、冷蔵庫だけではなく、冷暖房まで動かすことはできます。テレビも見ることが出来ます。携帯の充電もできます。そこまでは賄えます。  夜は、早く寝るに限ります。 ま、自動車のバッテリーから電気を引くという手段もあるようです。

餅つき 窯

燃料も、マキや炭、タドンを備蓄しています。マキは毎年暮れにやっているお餅つきのため、炭は茶道用と、秋に秋刀魚を焼くために。 餅つきはかまどをその都度こしらえて釜でお湯を沸かし、餅米を蒸します。秋刀魚を焼くための七輪も、バーべキューセットも用意しています。カセットボンベが熱源のカセットコンロも用意しています。  「道楽も大概にして!」「贅沢してんじゃないよ!」などという批難もありますが。  温めるのに、電気が必要なファンヒーターではない、灯油ストーブも用意してあります。
これらは、冬、暖かくして食べ物を食べることができるようにという考えです。暖かい食べ物を食べたいという欲求は、8年半前の大災害の時、直接、岩手の地元の人たちから聞いた切実な声です。
また、古畳も備蓄してあり、それを敷けば、床に直に寝るということもありません。お風呂だけは用意できません。 とりあえず、電気、水、燃料は用意できています。
何かがあった時に少なくとも入居者の人たち、そして、近隣の人たちがいくらかでも、情報が得られる電源を確保したり、すぐに遠くの避難所に行けない人の一次避難の場所にしたいという思いです。

中央集権は権力側の人たちが一元的に国民を統治するには非常に便利で、都合がよいものです。しかし、権力の集中するところに利権が発生し、お金も集中します。「言うことを聞かなければ、しめるよ!」と恫喝が聞きます。地方がそれぞれ自立できていればそういう恫喝は聞きません。 電気、水を一括で管理されるというのはそれに近い感覚と考えています。
三陸の大災害の復興事業に関して、陸前高田は、旧市街地地盤のかさ上げ工事という大々土木工事を施工しました。 一応完成し施設がその上に作られて、区画もされていますが、戻ってくる住民はあまりいません。かさ上げに、7年も8年もかかっては、その間に移転した場所での生活が出来上がっていて、戻れるものではないと思います。そんなことはわかり切っていたことです。 権力側の、利権を貪る側の人たちにとっては、かさ上げ工事という大規模土木工事をすることが必要なことで、住民がどうなるという事に考えが及ばない、考えないという事の典型です。 大義名分は、「100年の間にまた、今回の規模の津波があっても大丈夫!」  どっかで聞いたようなセリフだなと思ったら、「100人乗っても大丈夫!」でした。こちらは嘘ではないようです。
地元の人たちは、その計画の発表当時から、「いったい何をしようというのかねー?地元の意見じゃなく、東京の人たちが考えているからねー!」と言っていました。 本当に、中央はお金だけ出して、地元に考えさせて、口を出さなければよいのです。
中央集権の仕組みになれてしまうと、中央の意見はただ聞くものです、という事になって、自分たち地元に合ったように自分たちで考えることもできなくなりますね。  明治維新から推し進めてきた中央集権化、今の状況はもうその完成形なのでしょう。 地方の考える能力をはぎ取っておいて、地方に任せられないと言って、口を出し、自分たちの利権の種にして、出来上がった後はどうなっても構わないという事ですね。

面白いというかおかしいというか、こんな話も聞きましたね。 岬の先のほうにある集落、家の数は10軒にも満たないところに、その人たちを守るために、数億円の費用をかけて、海岸線に津波を防ぐ防波堤を作るというのです。 1軒に二千万円(老人が一人あるいは二人しか住んでいない家に二千万もかからないでしょうが。これは偏見と言われるんでしょう。)渡して、みんなで津波の来ない高台に新しい家を造り、そこに住んでもらえば、いくらで上がるのでしょうか?   この堤防を作ったのかどうかはわかりません。
もう一つ。 地元選出の実力衆議院議員さんは、原発がやられた!放射能が漏れている!という情報をいち早く聞くことが出来て、家族を関西に逃がした、という噂がありました。(噂です!噂)この方は、本来はすぐに地元に入り、張り付いて、地元の意見を拾い上げ、中央につなげるべきで、それをすぐにやらせることが出来る実力者だと思われていました。 数週間後か、数か月後かに地元に来たときは、村会議員選挙の時よりも人は集まらなかったという話でした。 そのようなことで、選挙にはめっぽう強かったのですが今では王国と言われていたのは過去のことになっているそうです。 自分自身が危なくなっているのではないでしょうか?  それから、どういうわけか、かさ上げ工事の主体企業は清水建設でしたが、その下には、その衆議院議員さんに献金をして新聞沙汰になっていた建設会社がしっかりと入っていました。
おもしろ話、面白いかどうかわからない噂話としてください。
追伸
最近、陸前高田市議会議員選挙がありました。当選者の中に、新人で立候補した高田高校卒業の女性がいます。農業をしている人で、「市のお金の使い方が、デタラメだ、どうなっているの!」と言って、立った人です。 現職を破っての当選です。 岩手県の、いちばん南の端の市でも何かが変わりつつあるのでしょうか。
国会だと、当選前はかなり元気でも、いざ、先生になると何も言わない静かな人になりがちです。 この人は、うちにも来たことがあり、行動力の備わった頭の良い人です。何かやってくれるでしょう。
活躍が楽しみです。

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