この扁額の文字を書いたのは、岡田裕子です。この涵養庵のもう一つのテーマとして、家族がなんらかの形で手を加え、現在進行形で茶室を作り上げていこうとしてします。
その第一弾として、長年岡田建設の建具の制作をしてくれた建具屋さんが引退し、彫刻を趣味にしていましたので、作成をお願いをしました。
この文字を彫るのにも一つお話があります。
長年置いていた板材ですので、特に節の部分が非常に硬くなっていて、彫刻刀の刃が立たなくなるくらいでした。文字の周りを彫って、文字を浮き上がらせたかったのですが、それができず文字部分を彫ったんです。そこに墨を入れようかと思いましたが、刃の彫り跡を見せたくてそのままにしたものです。
額の左上にある丸いのは、彫刻家紋をはめ込んだものです。
こちらも扁額を作成した建具屋さんの手彫りのひょっとこ面です。茶室の入り口でお客様をお迎えしています。
本来は、腕木(写真で壁から水平に突き出ている木材)は丸太でしょうが、角材にしました。正直に言いますと、大工の手間のお金がかかりすぎるからです。今後、あまりお金をかけないで茶室を作ろうとするときの参考に、角材でどのくらいさびた感じが出せるのか、を試してみました。
実際にできた感じは硬かったので、この腕木の下の部分の角を削る面取りという加工を施して、硬い感じを少なくしようとしてあります。