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炭について

さて、11月から4月までは炉、5月から10月は風炉になるわけですけど、もう風炉の季節になってしまいます。 前にも書きましたが、昨年は、2月3月がお休みでした。自分は1月末から脚の付け根が痛くなり始めて、以後まともにお稽古できませんでした。今年に入って少しづつ痛みが和らいだので、再開!と思っていた矢先のコロナです。憎っくきかな、コロナ!
お稽古はできなくても、炉をたたみ、風炉を据えようと思いました。 そんなことを考えていたのですが、「炭でお茶を沸かそうかな」、などという気持ちが出てしまったのです。炭点前というのは、出来ません。 ただ炭をおこして、炉に釜をすえて、湯を沸かす。それをしようかな、という程度の軽い気持ちです。 本格的に炭点前を習うのはまだまだ先です。
現在ある炭は、いただいたものでして、中途半端で、一組になっていません。 炭をいただいたときは、「太さや長さがごっちゃまぜだな~、岩手の切炭のほうが長さがそろっているよ!」などと思いました。
今ある炭の写真です。
多分、丸ぎっちょと呼ぶ炭です。 丸管(マルクダ)

(左:多分、丸ぎっちょと呼ぶ炭です。 右:丸管(マルクダ))

丸管と丸ぎっちょ

丸管と丸ぎっちょ

涵養庵 炭について涵養庵 炭について

(備長炭の木口です。金属のような艶があります。炭同士たたくと金属音がします。)

それで、何もわからないというのは、知っている人から見たら、「何をしてんだ!」とばかりに頭をひっぱたかれても文句を言えないようなことをしてしまいました。
その茶炭で、大船渡から送られたサンマを焼きました。炭で焼いた魚はガスで焼いたものより数段おいしいのです。 いつもは岩手の切炭です。 ただでもらった炭なので、本当の価値がわからなかったのです。 今、思うととんでもない事でした。
その時に感じたことがありました。 ガンガンに火が熾ってきたのですが、途中炭が爆ぜないのです。いつもですと、パチパチと爆ぜて服につくと当然焦げました。目に入れば危ない、危ない・・・。

使い方があったのです。正解は炭を洗っているのですからです。 お茶で使用する炭は、割れかかっていて、取れそうになっているのもないし、炭の粉がついていないのです。 だから、茶室の中で炭を熾しても、爆ぜない。だから、畳を焦がさない。着物を焦がさない。 知っている人たちにとっては当然ですが、もし初耳という方は是非バーベキューなどでもそうしてみてください。
(炭は洗ってから乾かして使う?? 炭を洗って・・の説明をもう少しいただけると親切かもーです。)

ここで、茶炭について話すことはできません。知らないことだらけです。 岡田建設がかつてお世話になったことがある、(株)増田屋(大田区南久が原)さんのホームページから、“茶炭倶楽部”を見てください。 炭について本当に詳しく載っています。 餅は餅屋に です。

その時の増田邸でのお仕事は、座敷に炉を切って、広間の茶室とするという工事と、台所、浴室、洗面などのリフォームをさせていただきました。 とても立派なお家でした。玄関は、普通の家の一間分もあります。敷台、上がり框は欅です。 玄関も、座敷も天井が高く9尺ありましたし、広縁は6尺幅で、長さは5間ほどが庭に面していて、Φ270程度、その長さの縁桁がありました。広縁の天井は、化粧の垂木を見せていました。使用している材料も一級品を使っていました。ですから、そこのリフォームをするにあたっては、それにふさわしくしなければならないというのが自分の考え方です。
襖も良いものでした。紙は手漉き越前和紙の最高級品で、縁も黒漆の艶消しでした。
リフォームでは、それに匹敵する材料を使おうとしました。
使用している材料の素晴らしさを、かなり時間を割いて説明しました。 しかし、同じ材料を使うとものすごくお金がかかるので、「とにかくうまくやってください」という事で工事を始めることになりました。
そこからが自分の知恵の出しどころです。 いろいろ工夫し考えて、明るく住みやすくしました。悩んだのは作り付けの大工造作の仏壇でした。ご先祖様をお祀りする場所です。ここは、使う材料を落としたくなかったのです。檜の良いものにする事を了承してもらいました。建具屋さんにも頑張ってもらいました。 結果はすごく喜んでもらいました。
広縁に間仕切りをして、床下の断熱材を入れて、日当たりの良い日に広縁で過ごせるようにしたりもしました。建具枠などを古色に塗装して、どこを施工したのかわかりにくい状態に出来ました。お伺いした時には、そこでご主人や奥様と、庭を眺めながらお話をします。
炭についてお話を伺うと、滔々とお話をしてくれます。 いつか、涵養庵にお越し願って、炭のお話をお稽古の皆様方と一緒に聞きたいと思っております。

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