感動を呼ぶような家を考える

感動を呼ぶ という事_vol1

2020/08/16

会社も夏休みに入りました。 暑すぎて、やる予定の庭の手入れは朝と夕方遅くでないと身が持ちません。そんなわけで、「感動を呼ぶような家を造ってきたかな?」「感動って何だろうな?」を考えています。

「感動を呼ぶような家を造ってきたか」
お付き合いしていただける方々は、当然、お施主様であることが多いのです。他には、遠い過去のことでは学校の先生でした。それから自分が所属した団体・会のトップであるとか、メンバーの中の方とか。 団体や会、会社のトップで感心をさせられるような方は押しなべて、会うことが待ち遠しいくらい良い人で、物欲が前面に出ていませんでした。
それらの人生の出会いの中で、頭がいいな~とか、回転が早いな、という人は多かったです。説明をすると、10のうち3か4くらいで10わかってしまう人です。 それから、頭のよさとか回転の速さは当然として、「すごいな~。」と感心させられる方も何人かはいらっしゃいました。そのような中に、お話をお聞きするだけで、感動をさせてもらった方がおられました。
これらの方々のおかげで、自分自身の内面、人生観を変えられたように思います。 しかし、感動までさせられた方は1人だけでした。
感動してもらうというのはそれほど難しいことです。

サンマーク出版の社長さんの言葉の中に、「感動で、人生を考えさせて、その人生を変えることができるか。」というのがあります。
大変におこがましいのですが、建築をやっていて、他人の進路を決定づけたことが2回あります。 当時中学生だった男の子、また別の高校生の男の子。二人の時代は全く別でした。だいぶ前の話です。
二人とも、岡田建設の仕事をみて、自分も建築をやりたいと思ってくれて、大学は建築学科を選び、建築の道に進みました。 当時、建主さんから、「息子が、岡田さんの人たちは皆、格好いいって言っていますよ」と言われていました。数年後にお伺いしたときに建築学科に進んだということを聞きました。
思い起こせば、これが、自分がやった事で、感動を与えて他人の人生を変えたという事ではなかったか、と思っています。

感動を呼ぶような家イメージ

何がそのように思ってもらえたのかな?
建築の醍醐味は何だろう。 おわかりの事とは思いますが、建築というのは、設計する事と施工する事の二つに分かれます。 あの頃の岡田建設は、大手住宅メーカー2社の下請けでの施工が、売り上げ全体の80%程度を占めていましたから、設計ではなく、もっぱら施工が主でした。ですから、施工の面を見て頂いたのだと思っています。
では、施工の醍醐味は何だろう。 自分が思うものを一言で言うとすれば、段取りではないかと思います。
住宅建築施工の順番は、地鎮祭の後、水盛遣方→基礎工事(根切地業型枠コンクリ打設)→建て方(軸材運び込み、レッカー作業)→足場の組み立て作業→大工作業(構造軸材の金物取付・締め付作業、屋根壁下地造作)→屋根工事→防蟻処理工事→金属製サッシ取り付け→外壁工事(ラス工、左官工)→大工・内部造作工事(屋根、外壁と同時進行)→給排水給湯・ガス設備配管工事(大工、屋根、外壁と同時進行)→外壁吹付工事→電気配線工事→エアコン・換気工事配管→樋取付などの板金工事→外部足場解体工事→大工・内部仕上げ下地工事→タイル工事(浴槽埋め込み-「当時ユニットバスはほとんどやらなかった」、ポーチ・玄関などの土間)→(この辺りも同時進行)→木製建具工事→塗装工事→内装工事→設備機器取付工事(便器、浴室器具、厨房セットー「当時システムキッチンは少数派」-など)照明器具・コンセント類カバー取り付け、エアコン機器取付工事→電気ガス水道メーター取付試運転→竣工クリーニング→施主様引き渡し前点検→お引渡し

以上の流れになります。 この流れを、工事に取掛かる前に組みます。それが重要な仕事です。そして、その通りにやってもらいます。

読んでおわかりのように、施工中の建築現場はかなりな人数の職人達が入り、同時進行で進めます。決められた工期の中で、きちんとお引渡しができるように、様々な職種の職人さんたちは誰もが一緒にそれぞれの仕事を工期通りにやりきってくれます。
現場監督の仕事は、それらの調整です。その調整がうまくいけば、それぞれの仕事が早く済んで、なおかつ傷もつかずに、仕上がりもきれいになります。 仕上がってからその出来具合を見るのではありません。出来上がった時には見るまでもなくきれいになっているのです。そこまでやってもらいますし、できています。
その各職人さん方の調整が全てうまくいって、はまった時の気持ちの良さは、筆舌に尽くし難く、これ以上の物はありません。そこが施工の、現場監督の醍醐味でしょう。
その中でも一番の思い出というか自慢話は、かなりの、超のつくくらいの高級住宅の設計施工の仕事でした。
家相と方位の良し悪しを見る方で、引っ越しはこの日、解体はこの日、帰ってくるのはこの日と決まっていました。設計は濃密な、かなり頻繁な打ち合わせをしました。施工の工期は解体を含めて7か月。地下1階、地上2階建ての延べ75坪の木造住宅。結果として、坪単価は200万円くらいになりました。 仕上げは無垢の木材と湿式の壁、絹織物貼(もちろん袋貼)、大理石と御影石貼でした。建具もほとんどが無垢材でした。畳も備後表で重さは1枚40kg以上。すべてがその当時岡田建設で施工した数倍以上の金額でした。傷は絶対につけられません。
ドライエリアがあった関係で現場の出入りは1か所のみ。仕上げの工程に入ってからの3か月は、毎日30人以上の職人が入りました。もちろん職人同士の諍い一つ起きませんでした。傷もありませんでした。
その工事は、お引越しの前日、夜に終わりました。無事決められた日に引っ越しをし、住んでいただけました。皆から、もうこんなことはやめてくれと言われたものでした。ヤッター!感は満載でしたが自分も少し気が抜けましたね。

岡田建設が長いお付き合いをいただいている職人さんたちは絶対に手抜きはしません。ですから、現場監督の仕事の中から、それらを見極めるということはしなくてよいので、そういう仕事(手抜きをしているかどうかの見極め)が除外されるのが助かります。新人さんは注意して見ますよ。
もっとも、自分も手抜きはみればわかります。よその現場に行く機会があるときは、それを見つけるのが楽しいひと時です。決して指摘はしませんが。
全ての現場はこれほどタイトではありませんが、概ねこのように進めています。あのお二人も、このような事をすべてみていてくれたから、自分もやりたいと思ったのではないかと考えています。
「感動を呼ぶような家を造ってきたか」の一つの答えかなと思います。出来上がりまでの工程で、感動してくれたのかな?  「感動を与える。」についてほかには何か  まだ考えています。

続く・・・

余談。
常盤台のある現場で、しょっちゅう現場を見に来る人がいました。そして、ある日図面をもってきて、「あなたの工事に感心した。これを大至急で見積もって、やってくれないか」というのです。
結論を言いますと、そのお仕事は事情がありまして丁重にお断りしましたが仕事ぶりを見て声をかけていただけたことは本当に励みになりました。

-岡田の仕事
-,