だいぶ暑くなってきました。昨日(7月28日)現在、関東地方はまだ梅雨明け宣言されていません。しかし、今日か明日かという段階だと思います。
しかし、自分でもわがままだと思いますけれども、寒いときは「早く暖かくならないかな~」と思い、暑くなると「早く涼しくならないかな~」と思ってしまいます。ようやく梅雨が明けるという段階で、これから暑さも本番になっていくのに、というこの時期に早く涼しくならないかな、と考える自分がいます。
お茶をやり始めて、季節感というものをすごく大事に考えていることがわかりました。暖かい季節を迎えるようになると、暑いと感じないように、釜をお客から離すように、風炉にしてお点前するようになります。お軸は、7月には{滝}という文字を水が流れ落ちるように書いて涼しげに感じさせようとします。 日本には四季というものがあり、暑いときには暑さの中で涼しさを感じられるようにしつらえます。本当に素晴らしい考え方です。
先日、テレビを見ていたとき(多分チコちゃんだったと思います)に、夏の風物詩である、風鈴の音を涼しく感じるのは日本人だけだと言っていました。実験をして、外国人は、音を聞いて、音色に癒されるとは言っておりましたが、涼しくなることはなかったのですが、日本人は、実際に体表の温度が下がっていました。 夏になると風鈴の音で涼しくなるもんだよという思い込みだそうです。 この考えの究極が「心頭滅却すれば・・・」になるのでしょうか?
7月28日付の東京新聞に、玄侑宗久さんの文章が載っていました。住職さんのお寺は今、改修工事の終盤ということで、今回は、境内の敷石の話が載っていました。禅寺の敷石の形は「鱗敷」(図1)というのが基本だそうです。 正方形の角と角をくっつけて並べていく並べ方です。歩きにくいのですが、歩くことに集中するという、禅宗のお寺では歩くこと自体も修行という事で好まれたようです。 正方形の辺をくっつけて並べて敷けば直線的になって歩きやすくなります。(図2)。 これらの二つを合わせた、「いろこ敷」(図3)という敷き方があるそうで、これは小堀遠州の考案したものとなっているそうです。
岡田建設の玄関の床は300角タイルの斜め張りです。縦横に目地を切って張るよりも見た目が良いと思っています。しかし、この貼り方は、タイル職人には喜ばれません。その理由は、どこかで、タイル屋さんに聞いてみてください。
涵養庵の敷石について、お話をします。
今の敷石はほとんどが丸く、あるいは四角く形を作り、踏面を滑りにくく、平らに加工したものです。 涵養庵では、建て替えで、昭和の初めに作ったお庭を壊すという人から、そこにあった茶庭の灯篭・蹲・役石や敷石をいただいてきました。その石を並べてあります。そこの敷石はすべて同じ種類の御影石です。そのことに、連れて行って、見てもらった植木屋さんが感心していました。 自然石の平らな部分を見せて並べているわけです。 現在、涵養庵の庭でも、石を埋め込んでいるので、地表に出ているのは、30㎝くらいの、ほぼ円形ですが、旧庭で掘りあげたときには、一つ一つは、縦横ともにその2倍くらいありました。埋め込みの深さも25㎝はあります。土に隠れている部分では、石同士がくっついているところがあります。
造園屋さんがそれらを並べたとき、自分は、一つ一つの間隔を狭く感じました。
(「もう少し広めでも良いのじゃないのかな。」その時は、足が痛くなかったのです。)
この間隔にしたのには、造園屋さんには理由がありました。女性が着物を着、草履を履いて敷石の上を歩く時には、そういう間隔でなければ、大変なのです。 自分は今、杖を突いて歩いています。1月頃から左足に体重をかけると付け根が痛くなり、2月末から、5月頃まで眠ることもままならないほどに左足の付け根に痛みがありました。MRI検査で、脊柱管が3か所で狭窄しているという事でした。 10数年前に尿管結石を発症し、30分ほどで脂汗が出切るほどひどい痛みでしたが、今回の痛さは、その痛みの3~4割増しが2か月半続いた感じでした。
痛い時にその敷石の上を歩いたときに、間隔を広く感じました。もっと狭くてもよかったのに。 本当にご都合主義です。わがままですよね。