太陽光発電

富津に移住する計画の発動-その3

前回、犬を買うという事でいろいろとやっていることを書きました。富津に引越しても、すぐにブリーダーさんと会うことはできません。役所に手続きもありますし、入院中にリモートでお話をした、こちらの訪問看護師さんとも直接会わなければなりませんし、ご近所さんにもあいさつ回りをしようとも思っております。

女房殿は3か月入院していたので、体力とか体調と相談しながらですから、すぐに犬を飼うというわけにはいかないと思っています。そのような事情をブリーダーさんには連絡しました。そのような事情ですので、ワンちゃんのことは後日、ご報告させてもらいます。

自分自身は、富津で何をするか?  当然会社のことが第一です。東京でやっていることの延長を、こちらでやろうと考えています。今はリモートワークで仕事ができる時代です。しかし、リモートで出来ることは限界があります。板橋と富津の往来を頻繁にやることになるのは間違いないでしょう。 

それと庭いじり? それは犬のお世話と一緒に女房殿に任せようと思います。 気晴らし程度に手伝うというスタンスにしようと考えています。 何せ、彼女が世帯主ですから。自分は居候になります。

居候は何をするか? 実は二つの考えがあります。 

一つは今までの経験を生かして、建て主へのアドヴァイスを仕事に出来ないかと考えています。 住宅を建てようとしている人が、設計事務所とか建築業者と話し合うときのアドヴァイスです。もっとも重要と考えるのは建て主の考えが図面に反映しているかのチェックです。そして打合せの最中に業者に出来ないと言われた事の解決策の提案。それから、現場での作業が図面に則てきちんとできているかのチェックまですることまでを業務として行うという事を考えています。

もう一つはソーラーシェアリング(※)です。10年くらい前に仲間と画策したことがありました。あのころは、この辺りにソーラー発電所もありませんでした。いまは、富津荘から海岸まで歩いて5~6分の間にもあちこちに出来ています。 本当に味気ないです。雑草を敵対視する気持ちは十分わかります。 コンクリートを打つと金額が大きくなるので、地面を砕石で固めて、雑草が生えないようにし、メンテがしやすい高さに太陽光発電パネルを設置しています。 そして、フェンスで囲っています。

(※)ソーラーシェアリング  農地で、太陽光発電パネルを地上約3mの高さに設置し、その下で農業を営む。売電収入と農作物の販売収入を期待できる。 太陽光を発電と農業でシェアするという事

今までは腰を落ち着けてソーラ―シェアリングをアピールできませんでした。 何せ、今までは富津に来るのは、6~7日間が最長で、それも遊びに、でした。

富津に遊びではなく来る機会が、増えるというわけですから、もう一度ソーラーシェアリングを学び直して、普及させたいと思うのです。

なぜかというと、ソーラーシェアリングにより、地域農業を再生できる、と思うからです。  

富津に家を建ててから、もう60年弱になりました。 建てた当時はこのあたり、どこも田んぼ、畑は耕作されていましたし、ただの空き地はあまり見られませんでした。 日本全体がどこでもそうだったのですが、この辺りもだんだんと田畑が宅地になったり工場になったりしていきました。 あまりに農地がつぶされて住宅が増えるものですから、市街化規制の網がかかり、富津荘のあたりは市街化調整区域になってしまいました。 しかし耕作放棄地は無かったように思います。

景気が悪くなり、工場が撤退したり、宅地が売れなかったりして荒れ地が増えていきました。また、農業従事者の高齢化などにより耕作放棄の農地も増えていきました。 春になると田植えとなり、夏、緑色の苗が伸び、風が吹くと風の通り道が分かるようにその苗が揺れる。秋になると、黄金色になった稲穂が頭を垂れる。そして稲刈り。 そんな農地が、翌年何もなされなくなり、あぜ道によって分けられていた田んぼが、ススキの原と田んぼが隣り合う景色になってしまいました。

一旦荒れてしまった農地を元に戻すという事が非常に大変だという事は聞いて知っています。 元に戻そうと考える無謀をやる気力はあまりありません。(少ししかありません。)しかし、ソーラーシェアリングによって少なくともこれから放棄される農地を減らすことはできるのではないかと思っています。

農業を続ける体力がなくなり、やめようかと考え始めた農家に、ソーラーシェアリングによって農業を続けてもらう事ができると考えています。

その仕組みを二つ、大雑把に書きます。
農家がソーラーシステムを自己資金で作り、売電収入から設備資金を返済します。農家は、田畑を農業法人に貸し付けて、土地の賃貸収入を得ます。 運営は農業法人に請け負ってもらいます。 農作物は運営法人が考えます。農作物の販売収益は農業法人のものです。農家はその農業法人で働くこともできます。これが一つ。

もう一つ、農家がソーラーシステムを自分で作り、そこで発電された電気を売電し、設備投資の金額を返済する。前のと同じです。 農家は農業を続けることにしますが、売電収入のうち返済分の残りを使ってアルバイトを使う事も可能になります。働いてもらうのは近隣の方々です。 農家は自分の体が動かせなくても今までの経験、知識を生かして、アルバイトを使うという事をするのです。  この場合の問題点は人を使う事に慣れていない人が人を使うという事になるでしょうか。これらのことを収支のシュミレーションを出して提案し実現したいと思っています。
まだこの辺りではソーラーシェアリングで農業しているところはありません。これは10年ほど前の状況と変わっていません。 変わっているのは、ソーラー発電所があたりにかなり出来ていることと、農家の高齢化がどんどん進んでいって耕作放棄地が増えているという事です。
先ほど耕作放棄地を農地に戻すことは大変無謀な志を書きましたが、無謀でなくなる方法も考えています。


しかし、板橋では日本の文化を継承していくと言って茶室を造り茶道教室を開くし、富津では地域農業を守るのだといってソーラーシェアリングだと言っている。 自分の能力を考えろよ!と自分自身に言いたい。

この目論見は、富津での生活が落ち着いてからのことになります。 もう少し後のことです。 自分自身の寿命との勝負です。 バカだねえ~ここでも勝負しようとしてる。

-雑記帳
-, ,