新築して事務所が新しくなったとき、当然、机などを配置しました。それ以来マイナーチェンジをしてきました。今回の机などの配置替えを実は2年くらい前から考えていました。やっと、今月になって、その事務所内の配置替えができました。
まず最初に、打合せテーブルを90度回して、そしてテーブル長さを40cm伸ばしました。 この配置にするために、下駄箱も動かしました。動かしたために上り框も伸ばす作業が発生してしまいました。
それから、社長と専務の机の移動です。応接セットも移動させました。これらは、次回もう少し様子を見てからと考えていましたが、いろいろと作業の絡みが出てしまい、急遽、まとめてやることにしました。 事務所改装の顛末をお話しします。
約5年前に、建物を新しくした際の図面が 1です。
2は机1と応接セットの配置替えでした。どちらも、玄関部分はタイルを張った1.2m*2.6mの土間でした。 これは前の事務所の状態を踏襲したものです。靴を脱がなければ打合せテーブルに着くことができませんでした。 ですから、年配の方は、なかなか上に上がってくれませんでした。来客は、土間部分に立ってお話をすることが多くなっていました。自分たちは150ミリほど高くなっている床に立っていますので、かなり上から目線になります。 それから、職人の中でも年配者や、現場帰りで地下足袋をはいている人たちも上がるのを嫌がりました。
そのような事から、打合せテーブル部分の床面をタイルと同一高さにすることにしました。それが図面3です。 下駄箱を移動し、収納棚も作りました。 格段に、席に着く人が多くなりました。来客者は皆さん、信金さんの担当者も楽になったと言ってくれました。
その後、パソコンの内容をモニターに映し出すために50型のテレビを据えました。 ノートパソコンの画面を見ながら打合せをするよりも、俄然見やすくなり、こちらとしても楽になりました。ただし、都合が悪いことも出てきました。書類を置く、打合せ面積が減りましたし、そして、モニターを見上げるように見なければなりませんでした。画面からの距離も近く見にくかったです。そして、何よりも今回のコロナ騒ぎです。 人と人との間をあけたくても、できません。 そのような事から、テーブルを大きくすることにした次第です。
そして、この文章の最初に書いたようにしたわけです。それが図面4です。 図面3で使ったテーブルカウンターは、もともと2mの長さでした。それを40㎜ほど切って短くして設置しました。その残りは在庫していました。今回その切断をした部分をつぎ足しました。 折り畳みにしておいて、来客が多い時に伸ばすようにしましたが、伸ばしたままで置くことにしました。来客の人数が分かっていれば、事前に上げておくことをすればよいのですが、突然人数が多くみえた時に急な対処が大変になるからです。 なにせ、楢の集成カウンターの厚さが6㎝あります。40㎝×80㎝の板は重いのです。重さを考えていませんでした。
そして、下駄箱を移動しその跡の処理です。上り框が下駄箱のところで切れていました。その上り框の延伸部分の欅材も在庫していました。幸運にも、継ぎ足しで足りる長さでした。この継ぎ足しは技術が必要です。 なぜならば、継ぎ足し部が分からないようにしたいので、なるべく木目を合わせたいからです。そして、仕上げ材のコルクも在庫していました。 職人は、仕上がってみるとよく見ないとどこを施工したのかわからないようにやってくれました。
もう一つ目立たせたくないのは、配線です。モニターとパソコンを結ぶ配線も含めて、隠したかったのです。前は、下駄箱の後ろを通し、自分たちの座るところの後ろを通していたので、隠せていました。今回、そのモニターとパソコンを結ぶ配線を隠すのに苦労しました。床下を通すことで解決できました。
次に、机の移動です。 応接セットと私の机とを奥の予備的な部屋に移動し、空いた場所に専務の机を移動します。どちらも大工が造作した机です。普通に、ポンと置いてある既成品の机を持ち上げて動かすようにはいきませんでした。
それと一番の問題が、それぞれ抱えている書類の置き場所です。4年間かけて、使いやすいように並べてきました。それらを、移動した場所でも前よりも使いやすくしたいわけです。ため込んだ不要な書類もあります。捨てることも考えなければなりません。 やり始めてしまったので、途中でやめるわけにはいきませんが、ちょっとだけめげましたね。
そして、建築屋がやるからには、それなりに少しでも感動を与えたいのです。
一連の作業が終わってから結果を見ると、良いことの1番目が7~8人が座れる、打合せテーブルの広さです。機会の多い3人くらいの相談者、打合せの人がきても、密な状態にならずに座れるようになりました。2番目は、事務スペースが広くなりました。もしかすると立礼でお点前ができるかもしれません。 そして、3番目が今回の見せ場になると思います。元の作り付けの書類棚を化粧して、壁を銘木で仕上げ、飾り棚を設けることができました。玄関から入ったときにはそこに目が行くようになります。