古着の整理

ご近所のリフォーム工事 (脱線篇)

2,3階からのご両親の引っ越しが終わり、現在は、工事の完了した1階部分に住んでいます。今度は2,3階部分のリフォーム工事に入ることになります。 引越に際してはやはり、既存荷物の処分が大変でした。 捨てるというのは勇気というか思い切りが無いとできません。それぞれに思い出はあるからです。 

今回、奥様の衣類は捨てるのではなく、ある女性自立支援の施設に引き取ってもらうという事で話を付けてありました。 その量は40Lの袋相当で言いますと、6~7個になりました。すべて洗って、あるいはクリーニングして整理してありました。 これらは施設にすべて引き取ってもらいました。 当然デザインの古いものだったと思いますが、若い人たちの感覚ではそれを面白がっていたようです。 前回は女房殿のスーツ類を主体にして持って行きましたが、それよりも引手は多かったようです。

寝具のうち、掛布団、敷布団は、そこでは全部を引き取ってもらえませんでした。布団は以前に何枚か持って行っていたので、もういらないという事です。20枚程度あった毛布についてはすべて引き取ってもらいました。  

奥様の着物についての話をします。お施主様が持っていらっしゃる着物はすべて処分してほしいという事でした。着物については、以前からお茶のお稽古に来ている子供たちに和服を着せて、お稽古をしてもらいたいと思っていました。それに使わせていただきたいとお話をしました。お茶のお稽古に着物を着ると所作がスムーズなのです。当然ですよね。お茶が流行し、女性のたしなみの一つになったのは江戸時代ですから。 

古着の着物

それから、それらの着物の中には振袖があるという事でした。振袖につきましては、先の自立支援施設から、振袖があれば頂きたいのです、というお話を受けていました。このことについてもお話をしたいと思います。

今年の成人式のことです。成人式に招待されていた20歳の子が二人いました。そのうちの一人の子のお母さんは「娘に自分ができる最後のことだから、何とか着物を着せたい。頑張る」ということで振袖を用意したのだという事です。もう一人の子は様々な理由により、晴れ着を用意することができず、スーツで出席したという事でした。
ですから、「振袖を施設で用意していれば、着せてあげられたのに。」という事を強く思ったという事でした。その話を以前から聞いていましたが、なかなかその機会は出てくれませんでした。今回それが実現できそうなのです。 

実は自分の目論見の中に、施設の子らに着物の着付けを習ってもらえれば(もちろん自分自身の考えのもとで)、というのがあります。浴衣でもよいのです。 施設の子らが今後施設を巣立っていくときに、一つのたしなみとして身に着けてもらいたいのです。 今この時代に生きていくうえで着物がどのように役に立つかは、考えることは非常に難しいとは思います。 やるべきことが他にたくさんあることも十分わかります。しかしあえて、やってもらいたいな~と思ってしまうのです。日本の伝統を少しでもつないでいってほしいなと思うのです。 「自分勝手な思いを押し付けようとしているだけじゃないか!」という批判もあるでしょうね。 しかし、興味を持つきっかけを提供し、つないでくれればな~という思いです。

廃棄物処理業者に依頼して、只、捨ててしまえば面倒なことから逃れられるのになぜそんなことをやるのか? そう思うでしょうね。 建築にしても前からすんでいた家の中で使えるものを、どうにか工夫して、違和感なく使うというのを主義としてやってきました。この現場でも一番使用頻度の高かった建具を壁の飾りとして取付け、再塗装して利用しています。

今回の文章は、リフォーム工事ではなくなっています。 ですから、(脱線編)という単語を加えました。 次の原稿で工事についてのことを書かせてもらいます。

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