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続けざま 他社の後始末の補修工事-B

Bの工事では、タイル貼りの浴室をユニットバスに替えて、その上広くしたい、システムキッチンを取替えたい、和室を洋室にしたい、床暖房にしたい、というのが主たるご要望の工事です。

既存浴室の内壁の撤去から工事に入ります。広くするわけですから、間仕切り壁も撤去しなければなりません。事前の現調で1階と2階の壁の位置がずれていることが分かっていました。今の耐震基準では、1階と2階の間仕切り壁をなるべくそろえるようになっていますが、30年くらい前の家ですから、耐震という概念は少なかったので、よくはありませんが、しょうがないことと思います。

そういう事ですから、工事中にある程度の耐震補強は考慮していました。しかしその補強程度は「自分であればこうやっている」という思い込みの中で考えていました。
何が問題かというと、壊してみて分かったのですが、自分の常識として入っていると思っていた間仕切り壁には筋交いが入っていなかったのです。 (入っていたのですが、筋交いを切断するときに寸法を間違えて短くして、隙間を切れ端で埋めていたりしていました。)本当にこういうのは困ります。
以前から言われていたことを思い出しました。 「常識というのは、人それぞれ違うのが当たりまえ。」という事です。
確かに建築屋の常識、医者の常識、弁護士の常識 それぞれ違います。でも、完全な筋交いが欲しいのは、建築屋だけの常識では無いと思うのですが・・・

そうなると、他の間仕切り壁にも筋交いが入っていないと思って補強することを前提として、工事を進めなければならなくなってしまいました。(長さが不足して切れ端を足した筋交いはその役目をしません。)

「どうしてそこまで補強を考えなければならないのか」と思う人が多いかと思います。 その間仕切壁の柱が、間仕切り壁と同じ方向に20㍉ほど倒れているのが分かったからです。その原因が筋交いのないことに起因すると考えられたからです。 東京に地震がくるのはそんなに遠い将来ではないと言われている今日この頃、岡田建設が手掛けたリフォームが中途半端で、施工後に何かあってはならないからです。

この時にできる範囲の補強方法は、ボードをはがして、筋交いを入れ、ビニールクロスの下地として耐震用構造用合板を張るというものです。その補強方法ができる他の間仕切り壁にもそのようにします。 既存壁を壊さなければわからなかったことなのですが、追加工事という事になってしまいました。

自分としては、使用する品物が事前の打合せのものよりグレードを上げるとかの追加は良いのですが、こういう追加はあまり面白くありません。見積もりの時に見積もっておいて、必要が無かった時に減額するという方が好きです。しかし、お施主様にするとどちらが良いのでしょうか?

それから、配管してみて、ある系統の排水が思ったよりもスムーズでないことが分かりました。これは、水道職人が自らの判断で、系統を変えました。 そう事後報告がありました。 こういう判断をしてくれるのが、2代3代という長いお付き合いを頂いている、岡田建設の職人さんたちです。

もう一つ、既存の畳が部屋の隅で15ミリくらい上がって敷かれていました。 畳を敷くときに職人は絶対にわかっていたはずです。岡田建設の畳屋は、岡田建設に怒りの電話を入れてくれます。こちらもすぐに直します。今回は畳を撤去してフローリングにするので、新規の床下地の調整のみで済ますことができます。 前に敷き込んで高いと分かった時に直さなかったのはなぜなのだろう?と考えました。

この理由が分かりました。お施主様が30年前に工事を頼んだのは、非常に昵懇にしていた内装屋さんのようです。内装屋さんでは、建築全体が見えません。その内装屋さんに平面図を渡してやらせた感じです。その平面プランが構造的に大丈夫なのかを検討する知見が足りなかったようです。
建築工事を請け負うのは荷が重すぎたようです。ですから1階と2階の壁位置がずれているという事も指摘できなかったのでしょう。

内装工事に関してはプロでも、木工事の納まり、水道配管の納まり、屋根の納まりなどなど、ほかの職方の仕事は分かりません。各職人の合作で出来上がる全体を見ることができませんでした。そこのところに間違いがあったのではないでしょうか。

建築屋の現場監督は伊達ではありません。存在意義があります。
仕事が分からない、手抜きを見逃してしまう現場監督は現場にいてもだめですが、諸経費を有効に使って下さい。
(諸経費には、現場員の給料も含まれています。心から納得するまで打合せしてください)

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