お稲荷さんと猫

【怖い?話】痛いご注意を受けたお話-vol.2

現場での不思議なお話-お稲荷さんのお話

建築現場での、ある意味怖い、不思議な話です。これは数年前の現場であったことです。
お施主様は、そのあたりの大きな地主さんです。農家風の家をこわして、今風の家に建て替えるという工事でした。
広い庭の西南にあたる一角に、お稲荷さんが祀られてある祠がありました。その、西南の方角には、由緒あるお寺があります。
敷地内にお祀りをしているその祠は、見た目には、正直なところ、あまりお参りしていないように見受けられました。
しかし、自分は解体の時に埃まみれにさせてはいけないと思い、すっぽりとシートで囲わせ、埃がかからないようにしました。
工事では、解体したすべての木材などを廃棄処分するのではなく、再び使えそうな銘木類などを新築の家に再使用することにしておりました。
どれを残すか、それをどのように使うか、などを決めるために、解体業者がとりかかってすぐに、設計者との現場打合せがありました。
自分たちも解体の職人たちもそれまで何事もなく過ごしていました。

当日、設計者が解体途中の建物の中に入って、これを使う、これも使うなどと話を進めていきました。そこまではごく順調に進みました。しかし1時間もしないうちに、その設計者の顔が急に青ざめて、そして、自力で立っていられなくなってしまいました。すぐに庭まで担ぎ出し、救急車が呼ばれました。救急車が来ても、自分では歩けない状態でした。
あとで様子を聞いたところ、救急車で運ばれていく途中、現場から離れたらなんともなくなって、病院で診断を受けるときには何事もなく、すぐに帰れたそうでした。
その手の話が分かる、あるお方にお稲荷さんの祠の状況やら現場付近の様子を話して、何が原因なのだろうかと考えてもらいました。
その方は、「そのお稲荷さんを囲ってしまったのが良くない。お稲荷さんが西南のお寺からくるものから家を守っていた。それを囲っしまったために、守る力が弱まってしまった。」というのです。 すぐに保護シートを取り去って、祠を表しにし、埃を払い、お供え物をし直しました。 その後、現場に行った時にはまずお参りをしてから入るようにしました。もちろんその後は、設計者の現場打合せも何事も無く、順調に工事を進められました。
お施主様の方も、それを見ていたのか、完成後2か月くらいしてから伺ったときは、祠がきれいなっていて、丁重にお祀りをされている様子でした。

 

現場での不思議なお話-柿の木のお話

もう一つ、この現場では大変に不思議な事がありました。本工事に取り掛かる前でした。
その工事の設計図書は、仕様書・意匠図・設備図70枚くらいにはなっていました。見積もり作業は終っていますから、岡田建設の事務所で、見積もりに使った図面は重ねられておいてありました。
解体が始まってから、何気なく図面をめくって見たとき、その中の1枚、1階平面詳細図の一部が丸く茶色くなっていたのです。
もっと不思議なことは、焦げたようなにおいもします。その前と後の図面はなんともありません。その1階平面詳細図1枚だけに変化がありました
何なのだろう? 考えました。

図面のそこには何があるか?  百年以上の柿の木がそこにありました。毎年おいしい実がなるとお話をされていました。
解体の時にもおいしそうな柿の実がなっていて、お施主様が取ってもよろしいですよ、と言って下さいましたので取らせていただきました。
おいしかったです。今回の工事では、その木は新築建物の邪魔になるので伐採・抜根することになっていました。
ちょうどその柿の木が生えている場所が焦げていたのです。 不思議ですよね~。
当然、伐る前には自分たちで、お米・お塩・お酒を捧げて、撒いて、御祓いをしました。
そして、地鎮祭の時には、そのお話をして、神主さんにきちんと御祓いをしてもらいました。
その後は、何もありませんでした。

長年、建築現場を経験すると{単なる偶然}とか{迷信}と言われれば返す言葉が無い、いろいろな事に遭遇しました。
あるマンション建築現場では、最初、アースドリルのくい打ち機が動かなくなり、根切をしている最中にユンボ―のアーム(鉄板の厚みが30㎜くらいあるものです)が折れてしまったり、200立米の基礎コンクリート打設工事の時、ミキサー車があと3台で作業終了するという時になってコンクリート圧送のポンプ車が故障してしまって打設工事がストップしてしまいました。
もう17時を過ぎていました。代わりのポンプ車が来て、打ち終えましたが、片付けなどをして自分が現場を出たのは23時を回っていました。
自分たちはこのような現場を、あやつき現場と言います。
このこと(コンクリート圧送車がこわれたこと)があった後、自分としてはこの後にもこんなことが続いて、何かあってはどうしようもないと考えました。
主任はそのようなことには無頓着でした。自分だけですぐに日を決めて、お酒・塩・米を買い、職人の親方に現場に来てもらい、一緒に現場中にそれらを撒いて回って御祓いをしました。そして、そのお酒は親方衆に渡してお清めをしてもらいました。
その後は何事もなく現場作業は進みました。
人智を超えた何か。何らか理由はあったのでしょうがね。 ワカリマセン

自分が、設計そして現場を進めていくときには、本当にいろいろな事を考えます。迷信と言われようが何だろうが、お施主様の為、職人たちの為、自分の為に、三方が良くなるように考えます。
例えば、家相もその一部です。
日取り(行事・移転などに良い日、悪い日)もそうです。施主様がこれからもずっとお幸せに暮らせる。職人たちもけがをすることなく、全力を出し切って、気持ちよく仕事をやらせてもらうことができるようにする。そうすると自分も満足できる事になります。
長くなった建築屋人生で感じてきた、人智で測りきれない動きというか流れというか、何らの意向が働くという事が、度々あったなあ思います。
ですから、いろいろとそれらを考えて設計して、そして工事をやらせていただいてきました。
それが、お施主様、職人たち、自分達の為になると心に刻んで仕事を進めてきました。
これからもそれは変わらないです。次の世代にも受け継がれています。

【怖い?話】痛いご注意を受けたお話 vol.1 / vol.2 / vol.3

-雑記帳
-, , ,